「一途なアンジェリカ」(苦笑)

 やはりいつも通り、例会から帰宅後、バタンキューだったので、こんな時間に起きてセッションの感想を書いてます。(笑)
 今日(正確には昨日)の例会は、ruwindさん(id:ruwind)のGMで、ダークファンタジィー『深淵』でした。
 復讐者のPCをやったのですが、個人的にすげえ楽しかったです。(笑)
 一部では、狂女だのなんだの言われておりますが(笑)、僕的には、とても一途で可哀想な女の子でした。
 設定は以下です。

名前:アンジェリカ・ローゼンベルク
 テンプレート名:吟遊詩人 性別:女 出身地:ダリンゴース(?)
 出身階級:下級貴族 現在年齢:16歳 推定寿命:42歳
運命:[探し求める仇][自己犠牲][依存症/リカルドの短剣]
縁故:[仇敵/5][愛用の竪琴/3][愛用の細剣/2][貴族/1][リカルドの短剣/6]

設定:
 下級貴族階級に生まれたアンジェリカは、2歳年上の幼馴染の少年リカルドをずっと慕っていました。けれど、相手には幼馴染によくありがちな親しい友人としてしか見られておらず、長い間、胸にその想いを抱きつづけていました。
 やがて二人とも成長し、彼女は婚姻の適齢期(14、5歳?)になり、他家に嫁がされそうになります。
 しかし、彼女は裕福な生活を捨てて出奔し、豊かな音楽的才能と社交性で吟遊詩人として生き始めます。いつか、リカルドが自分をひとりの女性として見てくれることを夢見て、です。もしかしたら、リカルドが、彼女のそんな状態(家出した状態)を見て、結婚してくれるかもしれない、みたいなことを考えていたのかもしれません。(女のヒトはしたたかだからね。---笑)
 清廉潔白な騎士リカルドをずっと想い恋焦がれ慕ってきた彼女。
 騎士の職務で忙しいリカルドとの久しぶりの再会の時を得たアンジェリカ。しかし、慣れない旅の生活で傷んでしまった髪や手肌などを白粉でごまかし、昔、着ていた貴族用のドレス(この演出のためにアイテムを買っておきました。高い金出して。---笑)に身を包んで、想いの丈を告白しよう、と決意を秘めて、彼のいる場所(宿屋)へ向かいました。
 しかし、そんな彼女を待っていたのは、絶望でした。
 彼の部屋から現われた『長い黒髪をした冷たい瞳をもつ女』を見たとき、彼女はなにを思ったでしょうか。哀しみ、妬み、嫉み、憎しみ?
 躊躇は一瞬で、すぐさま、彼の部屋に向かいノックをして開けたとき、そこには血まみれのリカルドが倒れていました。
 袈裟懸けに走った致命傷の一撃。ぴくりとも動かない身体。優しい笑顔もなく、無骨だけれど温かかった手のぬくもりもなく、溢れ噴出す血がアンジェリカを染めてゆきます。
 もはや手遅れの状態であるのにも関わらず、傷口に手を押し当てて、生命の流出を止めようとするアンジェリカ。
 彼女は、なんの言葉も、想いも伝えることもなく、そして、彼の末期の言葉すら聞くことも(彼の想いを聞くことも)叶わずに、彼女は彼を永遠に失った。
 彼は彼女の世界のすべてだった。アンジェリカにとっての世界とは、リカルドのことだった。彼を見つめることも、彼に語りかけることも、彼に触れることも、なにひとつできない世界は、彼女にとっては無意味だった。
 幼い無知な女の恋と笑いたければ笑うがいい。
 恋に狂った女と蔑みたければ、蔑むがいい。
 けれど、彼女は、本気だった。
 短いけれど、16年という歳月をかけて全身全霊で恋をしていた。愛していた。リカルドが幸福になれるのなら、例え、振り向いてもらえなくとも、幼馴染の親友としてしか見てもらえなくとも、それでも側にいられさえすればいいとすら思っていたのだ。
 だが、その想いは無残に砕かれた。
 リカルドの死後、三日三晩、寝食も忘れて、ただ哀しみに暮れるだけの抜け殻のようなアンジェリカ。そのまま、リカルドの待つ黄泉路へと向かうかに見えたが、彼女はひとつのことを思い出す。
 あの女が、あの『長い黒髪の冷たい瞳の女』が、リカルドを手にかけたに違いない。自分から、リカルドを奪ったのだ。
 自分だけが、あの女を見ている。
 ・・・殺してやる。ころしてやる。コロシテヤル。コロシテヤル。コロシテヤル。コロシテヤル。コロシテヤル。コロシテヤル。コロシテヤル。コロシテヤル。(×エンドレス)
 最愛の者を失い、絶望に身を焦がす女の復讐が始まる。


 というのが設定でした。
 アンジェリカは、復讐に狂ってましたけど、復讐するまでは泥を啜ってでも生きなければならない為に、どんな苦境や逆境のなかでも生きることを諦めない強い女性でした。復讐に利用できるモノは、なんだって利用する、したたかな女になりました。でも、それはリカルドへの一途な愛情の裏返しです。
 彼女は、本来、優しく気立てのいい、けれど、強く激しい恋心を持った女性です。リカルドが生きてさえいれば、あんなことにはならなかったでしょう。(笑)
 ストーカー的とすら言われましたけど(笑)、リカルドにつきまとったり、無理に家に押しかけてたりはしてなかったハズ(彼に嫌われるのが怖くて、そんなことできない)なので、リカルドの死後のショックから、山岸由花子みたいな女になっちゃったと思います。(笑)
 シナリオの粗筋は、魔族である剣の侯爵ロンゲインによって、数奇な運命を辿ることになってしまった双子の少女たち。ひとりは、光の下で(騎士として)育ち、ひとりは闇の下で(暗殺者として)育つ。その光と闇の織り成す二人の運命に巻き込まれるPCたちというカンジでしょうか。
 僕以外のPCは以下です。


PC1:マレイ・タイパー(男、22歳、盗賊団/PL:村7さん(id:muratti))
 故郷の村を騎士団による魔物討伐戦の巻き添えで家族を失い、騎士団に復讐の念を抱く男。その憎悪故、剣の侯爵ロンゲインに利用され、騎士団長クレリア卿への復讐を果たすべく暗躍する。(騎士団を怨むのは、どう考えても逆恨みのような気もしたけど。魔物を放ったヤツとか、魔物作った魔族とか憎めよ、とか思う。が、たぶん、ロンゲに精神操作や誘導されていたと思われる。僕は途中で改心するというか、ロンゲと敵対すると思ってたんだけど、最後の最期でキメてくれました)
 その中で、騎士団長の一人娘で、妹と瓜二つである女騎士リセと出会う。彼女の身を案じつつも、彼は復讐を続行するが、紆余曲折の末、復讐の手駒となりつつあったリセの双子の妹セア(アンジェリカの仇で彼女と相討ち(!)になった暗殺者)は殺されてしまい、彼の復讐は失敗に終わる。
 セアを失った悲しみに暮れるリセを手駒とし引き続き復讐を続行する、という選択肢もあったものの、最後はリセを不幸にしたくない、という思いから復讐を捨て、魔族の支配から逃れることに成功し、何処かへと姿を消してしまう。騎士団の詰め所を燃やしたりしたから、高額の賞金首とかになったに違いない。(笑)


PC2:キッド(男、21歳、歩兵/PL:縁さん(id:rout666))
 魔族によって仕組まれた暗殺者セアと恋仲だったが、彼に嫉妬(?)した黒衣の男によって重傷を負わされ、その際に記憶を失ってしまう。記憶を取り戻し、セアを取り戻すために奮闘する。
 キッドの身を挺した説得で、セアは憎しみを捨てることができたが、アンジェリカの復讐の刃によって彼女は息絶えてしまう。ひとり悲しく故郷へと帰っていった。残りの寿命、あと4年だしなぁ。(笑)
 ごめんね、縁さん。(笑)


PC4:ジョージ・RⅡ世(男、22歳、騎兵/PL:amonさん(id:amon))
 愛馬の名前はDⅡ世。某『宇宙戦争』の機械ではなくて、騎士。
 かつて暗殺集団ギュラニン党討伐の際に黒衣の男に敗北を喫しており、打倒することを目的にしていた騎士。クレリア卿の娘である女騎士リセに惚れられている(?)ナイスガイ。いや、本当に良い人でしたよ。(笑)
 アンジェリカは、彼のおかげで本懐を遂げられたんですから。(色々と手助けしてくれた。ただ、明後日の方向に向けられたこともありましたが、結果オーライで。---笑)
 魔族の陰謀からリセを守りつつ、最後の決戦では黒衣の男を圧倒的なダイス運とカード運力でたたき伏せました。まさに勇者な騎士。
 たぶん、このシナリオで唯一、幸福になったひとでしょう。
 僕的には本当は、リセか、彼をを護って死ぬことも考えていたんだけど。(守護者のカード−誰かのダメージを身代わり受けることができる−を持っていたので。そのときに「あたしのように大切な人を失う想いを味わって欲しくないから。・・・リカルド、あたし、間違ってないよね?」とか言ってくたばるのを狙っていたりしました。そのためのカードも用意してたんだけどなぁ。---笑)


 というわけで、みなさんお疲れさまでした。
 GMしてくれたruwindさん、本当に、お疲れ様。『深淵』というシステムは、GMのアドリブ能力が要求されるシステムっぽく見えたので、PLへの対応は大変だったように思えます。
 でも、とても楽しかったので、また今度、機会があったら、やりたいですね。
 やっぱり、復讐はいいねぇ。(えっー!?)
 あっ、でも次は『パラノイア』でしたっけ?(笑)



追記.
 アンジェリカは復讐を果たして、リカルドの待つ死後の世界へと旅立ちましたが、その魂は魔族に囚われてしまった模様。つくづく、可哀想な女の子だよなぁ。(自業自得とは、どうしても思えないのは、僕だけか?---苦笑)