「なぜ、復讐者なのか?(笑)」
僕の作るTRPGのシナリオには、復讐者がよく登場する。
ハンドアウトでPCを復讐者に指定することもある。敵役(NPC)が、復讐者であることも多い。
それは、なぜか?
ぶっちゃけると、
「僕が好きだから!!(笑)」
になるのだが、それ以外にも明確な理由が3つあります。
①PCのモチベーション(行動理由)を高めやすい。
ここで注意してほしいのは、あくまでも、PCのであって、PLのではないというところだろうか。(苦笑)
PLのゲームするときのモチベーションなんて、個々に違うので、それを高める方法があるのなら、僕が知りたいぐらいです。まぁ、わざわざ休日にTRPGやりに来てるんだから、低くないことは前提つーか、それを願おうみたいな。(笑)
PCのモチベーション。つまり、PCの目的が明確であること。これは、そこ(復讐対象)に向かえば、自然とシナリオに絡んでいける。また、GMもそのようにシナリオを組んでおけば良い。
これほど、簡単な道標があるだろうか?
②PCの感情が理解しやすい。(と思う)
基本的に、誰かを憎んだことのない人間はないと思う。
誰も憎まずに生きてこれたというのなら、僕の理解を超えた存在なので、素直に理解不能とします。(笑)
なので、基本的に「憎しみ」という感情は理解しやすいという方向で話を進めます。
理解できない設定(感情とか)を渡されても、どう行動すればいいのか、わからない。それで身動きがとれなくなってしまう。
そういうことが、上記の①の理由も含めて絡ませて、PLが迷わないようにするための処置でもあるのです。
「憎しみ」は理解できるが、「復讐」という感情は理解できない。そういう人もいるでしょう。「憎しみ=復讐」に直結しないよ、と。
確かにそうなんですが、TRPGの世界はほとんどディフォルメされた世界なので、そこをうまく利用してもらたいのです。ラブコメとかと一緒で、物語を構成するひとつの要素として楽しんでもらえれば、と。
よく復讐なんて馬鹿馬鹿しいという人もいます。確かに復讐したからって殺された相手(愛する人間とかモノとか)が生き返ってくるわけではありません。
ただ、どうしようもない哀しみとか憤りから、復讐するのであって、それ(復讐)を成し得たからといって、どうにもなることではない。得るものがあるわけではない。そんなの解ってる。けど、それ(復讐)をしなければ生きていけない(と思い込んでる)哀れな人間が、復讐者なのではないか、と僕は思います。
③ 物語(ゲーム)に奥行きを出したい。
ほとんどのTRPGのシナリオには敵役という存在があります。いわゆる、BOSSです。(もちろん、ボスどころか戦闘も一切ないというシナリオもありますが、それは例外ということにします。僕はTRPGにとって戦闘も楽しみのひとつだと思うからです)
復讐対象がボス・キャラならば、それだけでそこに物語性が発生し、また、展開してゆくと思いませんか?
また、それによって、シナリオ(ストーリー)に奥行きが出来たように感じませんか?
すごく物語的でしょ?(えっ、そんなことないって?)
あくまでも個々の感じ方なので、絶対そうだと言うわけではありませんが。(笑)
まぁ、以上の3つが大きな理由です。他には、PCの目的を被らせないで、活躍の場を用意するためとかの理由もあります。他のPCの行動指針が、ヒロイン(誰か)を護る、依頼(命令)を達成する、とかにしてね。
もちろん、PCが復讐者であることによって生まれる弊害も存在します。
一番大きいのは、PCの方向性が完全に決まっていること。つまり、基本的にPLの自由度が狭まるのです。
具体的な例を出すなら、復讐対象が目の前に現れれば、よほどの理由がないかぎり、戦おうとするでしょう。そういう意味での自由度が減ります。まぁ、ハンドアウト制のモノならば、こんなのは自由度を奪っているとは言い難いかもしれません。(ハンドアウトのほとんどは事故防止−シナリオの停滞や破綻防止−のために明確に各PCに行動理由が明記されている場合が多いからです。―――ヒロインを護れとか、依頼を達成しろとか)
それから、復讐という暗い設定のせいで、プレイがネガティブな雰囲気になりやすいかもしれません。(まぁ、よほど感情移入しなければ大丈夫だと思いますがね。ゲラゲラ笑いながら、復讐者PCを演じてたPLも過去いたし。―――苦笑)
あと、基本的なことをひとつ。
復讐者が復讐を捨てる明確な理由があれば、いつでも復讐は止められる。(つまり逆に言えば、PC(PLではない)は明確な理由がなければ復讐を止められない)
復讐を捨てる明確な理由とは、なんなのか。個々のGMが納得できる理由を、個々のPLの方々に、その時々に高度な柔軟性を維持しつつ臨機応変に考えてもらうとして(笑)、僕なりのベターな答えは、
「守るべき愛する者(モノ)を新たに見つけたから」
というモノです。
そういう理由が、復讐を止める理由にもっとも相応しいと僕は思っています。
復讐というのは、愛のカタチのひとつなんだと思います。強く愛した他者(モノ)が、何者かによって奪われた(殺された、壊された)。
その愛する者(モノ)を失った強い強い喪失感を埋める手段として復讐があるのだと思います。だから、それ(喪失感)を埋める存在(新しく見つけた愛する他者)がいれば、復讐をする理由はなくなるというわけです。
また、脆弱な心からも復讐は生まれます。それ(復讐)が正しいことではないと理解できても、それ(復讐)を意志の力で止めることが出来ないというもの。復讐者はみんな感傷的な人間なのかもしれませんね。(笑)
あと、復讐者だからといって、人助けをしちゃいけないわけではないし、四六時中ずっと「殺してやる×エンドレス」をしてるわけじゃないんで、そのへん誤解してませんかね?
キ×ガイじゃないんだから、ちゃんと考えて行動できると思う。なぜなら、復讐者は、復讐を果たすまで死ねないのだから、目的を達成するまで泥を啜ってでも生きようとするハズですからね。(復讐対象と出会ってプッッンとかは基本だけどね。まぁ、それも個々のPLの判断によるものでしょう。PCの性格設定とか)
誰かを助けるときの行動理由とかは、
「おまえの瞳の色が、あいつに似ていたから…」(うわっー、取ってつけたような理由だ。だが、それがイイ!!―――そうかぁ?)
「大切な人間を失って苦しむ人間を、もう二度と見たくない」(どーよ、この殺し文句。電波だとか言うなよ。―――笑)
「キミの言った言葉と同じようなことを言っていた人が、昔、いたんだ」(哀しみを背負った復讐者はいいよねぇ。人類が生み出した文化の極みだよ。そうは思わないかい?)
「ヤツは強い。今のオレでは勝てない。強くなるためには、どんなことだってするさ!」(つまり、一対一でなくてもいいんだよ。最終的に勝てれば。―――えっー!?)
「力(アイテム)が欲しい。ヤツを倒せるだけの絶大な力(アイテム)がッ!!」(ダンジョンに潜るときの理由とかに、どうよ?)
とかテキトーなありきたりな理由付けでもいいじゃん。みたいな。(笑)
そんな哀切(?)に満ちたダーク・ヒーローとして、僕の中には「復讐者」が存在します。とりあえず、アメコミには僕好みの復讐者多いよ!(笑)
追記.
まぁ、なんだかんだ書いてきたけど、僕が復讐者を重用多用するのはPCの行動指針として解り易い、またシナリオに組み込めやすいからというのが大きな理由。
僕のシナリオで復讐者が倦厭されるのは、僕自身の復讐者への深いこだわりが、ウザイ怖いからだとは思うんですが、ツボに嵌れば面白いと思うよ。(自分でそれを言っちゃあ)
あとね、最初に書いた通り、僕が好きだからね、復讐者!!(爆笑)
まぁ、なんつーか、この間の復讐者枠(PC④)が思いっきり避けられたから、こんなこと書いてみました。(爆笑)
異論反論は大いに受け付けますので、意見お待ちしております。
とりあえず、つぎのシナリオは復讐者なしの方向で作るけどねー。(えっー!?)